《No.118》褒めるとは再現性を促すこと

例年より早めの梅雨入りとなり、少し早めの衣替えをした伊藤雲峰です。

一日中雨だった先日、偏頭痛持ちの私は、早めに仕事を終え、自宅でゆっくり本を読みました。
奥さんからは目を休めるように言われておきながら、本(キンドル本)を読んでしまうのはよくなかったのですが、
思えば頭が痛かったのは、目の使い過ぎだけではなく、いろんな見えない不安のかたまりがストレスを感じさせてしまったのかもしれません。

・・・とこうやって、文章化すると、自分がどんなことに悩み、つまずいているのかを具体的に知ることができます。
(ぼんやりした不安は拭い去ることができます。)そこで、ふといつもの「書会」のことに思いが行くのですが・・・
大事なことは「なぜ偏頭痛になったの?」というように、
一つの現象に対して、「なぜ?」「どうして?」という問いを投げかけることがとても大切なことなのでは、と思った次第です。人を褒めるのは、表面的には簡単です。
「うまいですね」「ちからづよいね」と目の前の作品の表層的な批評をすればよいのですから。
しかし、表層的なことの奥にある本質を見抜くための、問いかけがなければ、時間の無駄遣いに思えてしまいます。

問「なぜ、今回はこんなに線に伸びが生まれたのだろう?」

「今日はよく寝たから、元気だったからかな」
「筆を、いつもと違うものに変えたからかな」
「筆の持ち方を変えて、自分の手で筆先が隠れないようにしたからかな」
「墨の濃さを調節したからかな」

などと、自分の作品について深掘りして「問い」を発し続けることが、学びにつながるのだと思います。

学びで大切なのは、再現性です。
どんなに素晴らしい表現ができたとしても、再現できなければ、その表現は本物とは言えないということです。

私は、言葉にして自覚することによって生まれる「再現性」というものがあると考えます。

ご本人が自覚しない表現の奥にある「特質」を伝え(それが”褒める”ということ)、
そのことをご本人が自覚し、次にも同様の表現ができるようになるというわけです。

言葉というのは、使い方によって大きく人を傷つけてしまう怖いものですが、
半面、人を大きく飛躍させてくれる魔法のような力も兼ね備えています。

私は、人を飛躍させてくれる魔法の力を、書会で大いに生かしたいと思うのです。

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★書会のご案内
【三重県・桑名市】
・2021年6月12日(土曜日)
『第21回 MuGicafe書会』(三重県桑名市京町42)

時間:14時30分~16時30分
参加費:2,500円(書道道具の準備は不要です。ソフトドリンク付き)【名古屋】
・2021年6月20日(日曜日)
『第44回 Pub Arco 書会』(名古屋市西区名駅2-20-30)
第一部:13時30分~15時30分
第二部:16時~18時
参加費:2,500円(書道道具の準備は不要です。ソフトドリンク付き)
>>>https://www.facebook.com/PubArco/posts/3352383241462632※コロナウイルス感染予防の観点から、急遽中止になることがございます。
その際は、ご理解いただきますよう、お願い申し上げます。

★伊藤雲峰公式ホームページをご覧ください(^.^)/~~~
>>> https://itouunpo.com/
※日々更新中!
【雲峰カレンダー 好評発売中です!】詳しくは下のサイトをご覧ください。
雲峰カレンダー卓上 >>> https://itouunpo.com/2020/10/2021takujyou/
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いま、「聴く」読書にはまっています。往復の電車のなかで聴いています。
目で文字を追うと抜けてしまう初見の内容を、聴くと、
不思議と聴きながら見ている景色とリンクして、記憶してしまっているという面白さがあります。
私の場合、聴いた内容をもう一度、本で確認し、正味二度読んで記憶の定着をしています。
いま、自分に縁遠かった『哲学と宗教』というテーマの本を読んでいます。
『哲学と宗教全史』(ダイヤモンド社/出口治明)
アマゾンの書き込みコメントをみると、歴史の大きな流れが概説的に網羅されているだけ、というマイナス評価もありますが、
「なぜ、こんな衝突が生まれたのか?」
「この時代に、どうしてこんなムーブメントが発生したのか?」
「この人の考え方は、〇〇年前の▲▲もしてましたね!」
みたいな、思考のヒントとなる語りがあるあたり、僕にはとてもありがたかったですね。
出口さんは、出口史観といわれるぐらいに、歴史についての本をたくさん出されています。
何冊か読んでいくと、彼なりの話の道筋が見えてきて、とても面白い体験ができます。
とくに、「バビロン捕囚」の話は面白かったです。
ネットで調べてみると、いま病気療養中とのことで、心配になります。
私の母方の実家近く、三重県の美杉村が在所ということで、親近感のわく方です。
聴きながら読むということを、この一か月習慣にしたら、
あらたな知識が習得できて、とてもすがすがしい気持ちになっております。
それでは、日曜の午後となりましたが、よい休日をお過ごしになってください。
伊藤雲峰でした。