すっかり1か月が経ってしまいました。
お元気でいらっしゃいますでしょうか。伊藤雲峰です。
この間、イベントや締め切り要件がたくさんあって、おたよりをまとめる時間を取ることができずに失礼しました。
先日、勤めている会社の社員旅行で北海道の道東を旅行しました。
一番印象深かったのが、早朝の「津別峠」からみる雲海でした。
雲海の定義がわからずに、何やら美しいものという認識で、朝5時に峠の展望台より見る自然現象を楽しむ、ぐらいのもので、
最初は、朝早くに外出するのは大変だなぐらいの軽い気持ちでした。
ところが!
早朝の峠の展望台ということもあってか、10度前後の寒さでしたが、
身体を震わせながら聞く解説員の方の解説がとても面白かったのです。
雲海とは、自分の目線より下にあるものを言います。
雲とは、自分の目線より上にあるものを言います。
霧とは、自分がその中にいるときに見えるものを言います。
すなわち同じものをどこから見るかで、その実体の呼び方が変わるということなのです。
ほかにも、
北海道は、太平洋とオホーツク海の分水嶺だという話
津別は〈つべつ〉と読むが、『つ』はアイヌ語で数字の「2」のこと、『べつ』はアイヌ語で「川」のことという話
北海道で「べつ」とつく地名が多いのは「川」との関係が深いからという話
津別峠は、直径300キロが見渡せる珍しい場所という話
など、数え上げればきりがないほど、興味深い内容がてんこ盛りでした。
「旅は、行く場所を変えてその土地土地の醍醐味を楽しむことだと思うが、もう一つの旅があります」
とその解説員の方は言います。
それは、同じ場所をずっと見続けること。
雲の動きは毎日異なって、その美しさを見続けても飽きずにいられる。
同じ場所に居続けても、その時その瞬間の変化を楽しむ「旅」はできるのではないかとおっしゃっていました。
解説員の方は、横浜から13年前に移住されました。
津別峠に魅せられて、毎日早朝に、この峠のこの展望台に来て、雲の動きを見ているそうです。
ボランティア活動で、早朝に我々のような観光客に向けて雲海の魅力を語られています。
定点観測をしている方のお話は、とても分かりやすく心を動かす内容でした。
ときに笑わせ、ときに考えさせ、話を早巻きに進めることもあれば、ゆっくり考えさせるような話の運びのときもあって、
なにか、解説員の「話芸」を見せられたような感動を得ることができました。
雲海は、峠に上り始めた頃とは姿を変えていましたが、変幻自在の景色を楽しみながら、
ホットコーヒーをゆっくり飲むこのひと時は、一生忘れないのでは、と感じた次第です。
いろんな締め切りが重なるなかで、こういったご褒美をいただけると、また前を向いて突き進んでゆけます。
これから、大島屋書会を頑張りたいと思います!
___
★書会のお知らせ★
書会紹介の動画、アップしています! よかったらご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=BGyIvmPoUWE&t=25s
★俳句書会・次回の開催日
開催日:2023年10月28日(土曜日)
時 間:14時00分~17時00分
※上記時間内で出入り自由です。申込時に参加予定時間をお知らせください。
参加費:お一人 3,000円(ゆうちょ銀行振込、PayPay)
【ご用意いただくもの】
・半紙、もしくは、短冊。短冊並寸・長さ1尺2寸、巾2尺(61㎜×364㎜)程度に切った紙でも構いません。
・筆
・墨または墨汁
詳しくは https://itouunpo.com/haiku-syokai/
★篆書書会
【三重県・桑名市】
・2023年10月14日(土曜日)
『第50回 MuGicafe書会』(三重県桑名市京町42)
時間:13時30分~15時30分
参加費:2,500円(当日会場にてお支払いください。)
※書道道具の準備は不要です。ソフトドリンク付き。
【名古屋】
・2023年9月24日(日曜日) ※この月はイレギュラーで4週目となります。
『第71回 大島屋(Pub Arco) 書会』(名古屋市西区名駅2-20-30)
第一部:13時30分~15時30分
第二部:16時~18時
参加費:2,500円(当日会場にてお支払いください。)
※書道道具の準備は不要です。ソフトドリンク付き。
>>>https://www.facebook.com/PubArco/posts/3352383241462632
※10月はお休みとなります。
【オンライン】
・2023年10月28日(土)
『第29回 オンライン書会』(Zoom)
時間:20時00分~22時00分
参加費:2,500円(ゆうちょ銀行振込、PayPay)
※筆と墨、半紙や八つ切りもしくは、紙と万年筆やペン、鉛筆など、まずはお手持ちのものでご参加ください。
★終わりに★
北海道2泊3日の旅のあいだ、見た景色と自分の心境を振り返るために、俳句を作っておりました。
景色が素晴らしすぎると、見た景色に俳句が引っ張られて、何を伝えようとしているのかがわからなくなる場合があります。
または、絵葉書の風景を言葉にしたような、ありきたりのものとなってしまいます。
だから、こういう俳句は少し寝かせたほうがいいのだなと思いました。
一方で、自分の覚えとして残しておく一句もあっていいものなんだなと思いました。
津別峠の解説員の方を思い出す一句も作りたいと思います。(まだ作っていませんが)
大事な思い出は、言葉として記憶するのではなく、景色や映像として保存しておくとよいかもしれませんね。
その景色や映像の輪郭をなぞるような短い言葉としてあるのが〈俳句〉なのではないでしょうか。
言葉からにじみ出てくる詩心
言葉からあふれ出て来る思い出
こんな宝石箱を心に抱えて生きていけたら、ほんとうに幸せだなと思いました。
北海道旅行では、アイヌの歴史、文化、気候、地理のことなどを学びたいと思うきっかけとなりました。
新しい一ページをめくれそうでわくわくしております。
それでは、素敵な秋の一日をお過ごしください。
伊藤雲峰でした。