私の住む地域の桜並木も、一斉に散っていきました。
これからは風にそよぐ新緑の並木道を楽しみたいと思います。
お元気でいらっしゃいますでしょうか。伊藤雲峰です。この季節の季語として、「山笑う」があります。
『臥遊録』に、「春山淡治にして笑うが如く」とあるところから来ていて、

春の山の草木が一斉に若芽を吹いて、明るい感じになる様子をいっています。

また、大漢和辞典で、≪「咲」字は、「笑」字の古字≫とも言われています。
咲くは、笑うと同じ文字であったわけですね。
どこかしら、花の咲いている姿が、笑っているような明るく朗らかな様子にも見えてきますよね。

話は変わりますが、職場や家族などで皆さんはどれぐらい笑っておられるでしょうか。
私はお笑い芸人ではないので、誰かを笑わせることは得意ではないのですが、

できるかぎり居合わせた人とのなかで、明るい空気に包まれたいと感じています。

ある人が通うスポーツジムは、最新鋭の機器があるわけでもないのに、会費が驚くほど安いわけでもないのに、

その人は、なぜか辞めずに通い続けているとのことでした。

その人は、厳しい目を持つ人なので、同じジムに通い続けることは珍しいのですが、
なぜ自分はそのジムに行き続けるのかを考えてみると、
そのジムのスタッフ(社長)の応答が明るくて、大きな声で笑って話を聞いてくれることが理由ではないか、と言われていました。別に認められたいわけではないにせよ、誰かに承認されたり、明るく賛同されると嬉しいものですよね。

会話の中に笑顔や笑い声が生まれると、伝えたいことを伝えられやすくなるし、もっといろんなことを話したくなる。
私もそのことを考えるようになってから、できるだけ書会の講評会のなかでは、≪笑顔や笑い声≫が生まれるようにしています。

そのためには、作品を書いた人それぞれのエピソードを覚えておくようにしています。
その人が傷つかないように、元気とやる気が湧いて来るあたたかい言葉を投げかけることこそが
次のやる気につながり、自然と上達していくことになるのではと考えています。

心の花を咲かせるというのは、すなわち、心から笑うことだったのですよね。
笑いたいことがあるから笑うのではなく、まずは笑ってそこから心の花を咲かせる出来事をたくさん見つけ出せたらいいなと思っています。

★書会のお知らせ
【名古屋】
・2022年4月17日(日曜日)
『第54回 大島屋(Pub Arco)書会』(名古屋市西区名駅2-20-30)
第一部:13時30分~15時30分
第二部:16時~18時
参加費:2,500円(書道道具の準備は不要です。ソフトドリンク付き)
>>>https://www.facebook.com/PubArco/posts/3352383241462632
※コロナウイルス感染予防の観点から,急遽中止になることがございます。その際は,ご理解いただきますよう,お願い申し上げます。
【三重県・桑名市】
・2022年5月7日(土曜日)※この月は第一週目の土曜日です。【変則】
『第33回 MuGicafe書会』(三重県桑名市京町42)
時間:14時30分~16時30分
参加費:2,500円(当日会場にてお支払いください。)
※書道道具の準備は不要です。ソフトドリンク付き。★Zoomを使ってオンライン書会!
【日程】
・4月23日(土)20時~22時
【ご用意いただくもの】
字の書けるもの
※筆と墨,半紙や八つ切りもしくは,紙と万年筆やペン,鉛筆など,まずはお手持ちのものでご参加ください。
【参加費】
各回 2,500円
※ゆうちょ銀行振込,PayPay
詳しくは… https://itouunpo.com/syokai/

★終わりに★

私の父の誕生日は、4月8日でした。
私の奥さんの誕生日は、4月9日でした。
また、私の親しい人のお父様の誕生日は4月8日でした。
近ごろご縁のことを考えるのは、自分の近しい人の誕生日が隣り合っていることを発見するときです。先日は、書会でつながりのある人で、全く初めて会った方なのに話をしているうちに、
生まれた年と月まで同じで、日にちだけが一日違いという事実に出くわしました。
こういう偶然はなにかつながりがあるのではないかと思わされます

さらには、先日オンライン書会で『南船北馬』と書いたとき、たまたま「南」と「北」の話になりました。
参加されたお二人は初めてお会いされる方でしたが、一方の方が大阪の「南中学」ご出身であることを話され、
もう一方の方と同じ苗字(珍しいお名前です)の先生に、35年前に国語を教えてもらっていたと話されたところ、
なんとその方の義理のお父様がその先生であったということなのです。

すでに故人となられたようですが、35年前の思い出をまさかオンライン書会で語り合うことになるとは思わなかったと驚いておられました。

リアルで会う機会が激減したとはいえ、こういった偶然に出会えるのはとてもうれしいことです。
新年度が始まり、緊張する日々が続くかと思いますが、どうぞお元気にお過ごしくださいませ。

伊藤雲峰でした。