《No.131》書会の世界観とは?

すっかり春らしいあたたかな日曜日となっておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
伊藤雲峰です。

先週は三重県の津にて、昨日は三重県の桑名にて、書のワークショップをいたしました。
三重県にゆかりのある人間としては、とてもうれしい限りです。私は、何か確固たるものが定まってから動き出す人間ではなく、
まずは動いて、繰り返し動くうちに、その意義を見つけ出すタイプの人間ですが、
書会を何度も繰り返すうちに、少しずつ世界観のようなものが見えてきました。大事にしている世界観のひとつに、≪「難しいからやめる」からの脱却≫があります。本当は興味があったのに、難しい話や厳しい指摘をされて興味を失ってしまい、書に興味を持てなくなった人の話を聞くと、がっかりします。

難解なことは、小さく分解して何度も何度も聞くうちに、だんだん理解が後からついてくるものです。
厳しく指摘しなくても、伝え方次第で改善できるものです。

私は、書会で繰り返し文字の成り立ちの説明をするうちに、自分のなかに「漢字の歴史」、「中国古代の歴史」に興味関心が深まってきました。
(元来、歴史を学ぶことが苦手な人間です。(汗))

参加される皆さんが安心して筆を持てるように、伝える側は丁寧な働きかけが必要になりますね。

もう一つ大事にしている世界観があります。

≪筆を運び続けたいと思える場であること≫です。

私は書会の最後に、講評会をします。
参加者の作品を一斉に張り出して、それを遠巻きに全員で見ながら、私がひとつひとつに講評を加えるというものです。

どの作品に対しても、少なくとも一か所はほめるようにしています。
ほめ方は、うわべだけの賞賛ではなく、具体的にどの部分がどのように良かったのかを丁寧に伝えています

一方で、私の話のあとで、参加者の皆さんにも、ほかの参加者の作品について批評していただきます。
私が、必ず皆さんの作品をほめるので、他の参加者のみなさんも、具体的にほめることが出来るようになっているのです。

(ほめられることに慣れていない方は、照れて何もしゃべれなくなりますが、
心の内では、安心して作品制作に打ち込める心構えを身につけられているようです。)

そして、人さまの作品をほめられるようになると、不思議と自分のことも少しほめたくなりますよね。
自分を認めることができれば、自然と自信が芽生え、気がつけば制作することに意欲が生まれ続けるようになります。

そんなこんなで、私自身は書会の世界観をもっともっと見つけていきたいと思っているところです。

がんばりま~す!

★書会のお知らせ
【名古屋】
・2022年3月20日(日曜日)
『第53回 大島屋(Pub Arco)書会』(名古屋市西区名駅2-20-30)
第一部:13時30分~15時30分
第二部:16時~18時
参加費:2,500円(書道道具の準備は不要です。ソフトドリンク付き)
>>>https://www.facebook.com/PubArco/posts/3352383241462632
※コロナウイルス感染予防の観点から,急遽中止になることがございます。その際は,ご理解いただきますよう,お願い申し上げます。

★Zoomを使ってオンライン書会!
【日程】
・3月21日(月)20時~22時 ※今回は変則です。
【ご用意いただくもの】
字の書けるもの
※筆と墨,半紙や八つ切りもしくは,紙と万年筆やペン,鉛筆など,まずはお手持ちのものでご参加ください。
【参加費】
各回 2,500円
※ゆうちょ銀行振込,PayPay
詳しくは… https://itouunpo.com/2021/10/online-syokai/

★終わりに★
2月はあっという間に過ぎ去りましたが、3月はさらにあっという間という感じがします。

2月に開催しましたギャラリー寺町さんでの水野圭次郎さんとの二人展は無事終了いたしました。
コロナ禍でなかなか積極的に皆さんに呼び掛けしづらい状況でしたが、たくさんの方にお越しいただけ、とてもありがたかったです。

桑名で作品展を行うのは、初めてでした。
高校時代を過ごした桑名市は、私にとって「なじみ深い場所」です。

また、高校時代の旧友や桑名でお世話になっている皆さん、初めてご縁をいただいた桑名の皆さんなど、
新しいご縁を頂戴できたのも、ほんとうにありがたいことでした。

イベントは、いつも不安がつきまといますが、思い切ってやってみると得がたいものを得られることを今回も実感しました。
ありがとうございました。

3月は、このあと名古屋の大島屋書会、奈良の雪心会展が控えています。
気を引き締めて、今月も過ごしてまいりたいと思います。
皆様もどうぞお元気でいらしてくださいね。伊藤雲峰でした。