名古屋は暖かい日が続いています。お元気でいらっしゃいますでしょうか。
私は、書家として作品を発表するだけでなく、昔の名人が残した書を真似る「臨書」をしています。
臨書は、自分を無にして行うものですが、真似をするというのは本当に難しいことです。
真似をしたつもりでいても、他の人に感想を聞いたり、時間を置いて見直してみたりすると、見るに堪えない臨書であることがよくあります。
考えてみると、書だけでなく、その他の芸事、あらゆる仕事・人間関係においても、先人・先輩のアドバイスを素直に聞き入れて、そのまま実践してみることの大切さに気付かされます。
たまたま読んでいた長谷川櫂氏の『俳句的生活』の8章「習う」にこんなエピソードがありました。
櫂氏は、遠くに住んでいた師・飴山實先生に自分の句をチェックしてもらったことがありました。
戻ってきた結果のなかで、〈穴子裂いて大吟醸を冷やしある〉が、〈穴子裂く大吟醸は冷やしあり〉と手直しされていました。
櫂氏は、この手直しに当初納得できないものがあったようですが、「飴山實という俳人をすべて受け入れようと思った」として、〈穴子裂く大吟醸は冷やしあり〉を第三句集『果実』に載せられました。
時間が経って、この句を見直した櫂氏は、
「まるで作者自身が穴子を裂き、大吟醸を冷やしたかのようではないか。傍観者のよそごとの句が友人に対するもてなしの句に変容しているのである。」
「自分を捨てて飴山實と一体になることによってはじめて散文の次元から俳句の次元へと進むことができた」
と述懐しています。
つい自分のこだわりでこの表現を変えたくないと思う時があるものですが、この櫂氏のエピソードは大いに参考になるものでした。
自分を無にしているつもりでも無にはなれないものですが、素直な目と心をもって、終わりなき臨書に向き合いたいと思った早春でした。
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★書会のお知らせ★
下記の書会は、下記ページでも紹介しています。
>>>https://itouunpo.com/syokai/
【名古屋】
・2025年3月16日(日曜日)
『第87回 大島屋書会』(名古屋市西区名駅2-20-30)
第一部:13時30分~15時30分
第二部:16時~18時
参加費:2,500円(当日会場にてお支払いください。)
※書道道具の準備は不要です。ソフトドリンク付き。
>>>https://www.facebook.com/PubArco/posts/3352383241462632
【三重県・桑名市】
・2025年3月8日(土曜日)
『第66回 MuGicafe書会』(三重県桑名市京町42)
時間:13時30分~15時30分
参加費:2,500円(当日会場にてお支払いください。)
※書道道具の準備は不要です。ソフトドリンク付き。
・2025年3月29日(土曜日)
『第45回 オンライン書会』(Zoom)
時間:10時~12時
参加費:2,500円(ゆうちょ銀行振込、PayPay)
※筆と墨、半紙や八つ切りもしくは、紙と万年筆やペン、鉛筆など、まずはお手持ちのものでご参加ください。
・2025年3月29日(土曜日)
『第4回 藤丸書院』(リアル+Zoom)
時間:14時~16時
参加費:3,000円(ゆうちょ銀行振込、PayPay)
※レギュラー書会参加者の方は割引制度有。
詳しくは…… https://itouunpo.com/info-kyojyo#kaijyo
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★終わりに★
私は仕事がら、お客様からご要望やお困りごとを聞き出す立ち回りをしています。
そこから新しいお仕事のお声がけをいただき、その仕事がまた新たな仕事を生み出していくという循環によって、会社が成り立っています。
お客さんからお困りごとを聞き出すためには、自分自身が勉強していないと質問をすることも話題提供することもできない。
不十分ではありますが、できるだけたくさんの方に会ったり、関連書籍や情報をキャッチアップするようにしています。
一方で、私は元来人に興味があるようで、その方の周辺情報を知ると、エピソード風に記憶する癖があるようです。
これはあまり自分では意識してきたことではないのですが、会話している相手と過去に知りえた情報を織り交ぜて会話を楽しそうに話しているようです。
いろんな方から、≪よく覚えていますね≫と驚かれます。
(自分としては業界情報をもっとしっかり記憶したいと思うのですが……)
私のお仕事は、お客さんとの信頼関係と話しやすい空気感を作ることが勝負になると思うので、自分の強みを生かしながら、これからも外回りのお仕事を頑張っていきたいと思います。
気が付けば3月になりましたね。
三寒四温の季節ですので、気温の変化に気を付けて日々をお過ごしになってくださいませ。
伊藤雲峰でした。