気がつけば、5月になりました。
4月は、サラリーマンとしての会社外回り月間でした。
ほぼ毎週、出版社が集中する東京へ出張に出向きました。

私の勤めている会社は、編集プロダクションという業態で、主に学校教材の編集制作にかかわっています。
私は、お客さんの御用聞きという立ち回りで、お客さんのお困りごとを解決するというのがミッションになります。
解決を重ねるなかで、お客さま(出版社様)とのパイプが太くなっていくように心がけています。

お客さまとのパイプを太くするためには、日々のわが社の強みを知っていただくことだと信じて、成果物(実績)を鞄に提げて持ち込み、PRに励んでおります。

自社内にいると、自分たちが行ってきた編集制作は、そんなに訴えかけるほどの強いPRがないのでは?と思いがちです。
しかし、具体的な書籍実績をもとに、それがどんな仕事の進め方で、どんな苦労をして、どんなわが社の強みを発揮できたのかを伝えると、
お客さまは、日ごろ自分が抱えている仕事の悩みと重ね合わせて、私の話を聞いてくださったり、ご自身の悩みを語ってくださることが多いと感じています。

一方で、PR資料をつくるために、社内の人たちにインタビューすると、制作担当のみんなが目を輝かせて苦労話をしてくれます。
話しながら、仕事の全体像を把握し直せたようで、話し終わったあとには、すっきりとした顔になっていました(^^)。
きっと、自分がやってきたことが、会社のほかの仕事に活かせるかもしれないと思いながら語る内容だったからにちがいありません。

私は取材をするつもりで、社内のみんなと対話していたのですが、質問したことの答えを求めるようなやりとりでは、相手の深いところにあるものを引き出せそうにありません。
そんなときは、自分が編集者だったころの失敗談や苦労話を持ち出して、話題になっている話から共通する自分なりのエピソードを話すようにしています。
そうすると、また新たなエピソードが相手からも出てきて、どんどん話が広がり深まっていきます。

そんなやりとりは、近頃編集実務をしていない私には、実務現場で困っていることを知る貴重な機会となります。
編集者が実務のなかで苦労していること、悩ましいことを、一緒になって悩みながら解決の糸口を見つける努力をするなかで、外回りでお客さんとお話する際の、話のタネが自然と増えていきます。

一般化された話、抽象化された話は、大事なことを言っていることはわかっていても、今自分が抱えている問題との関わりが見つけ出せなければ、机上の空論になりかねません。
やはり、具体的なエピソードをもとに、わかり合いたいものです。

外回りのサラリーマンとしての私の動きとは、お客さま、社内のみんなと対話をしながら見つけ出すエピソードによって成り立っていることに気がつきました。

連休明けの仕事でも、対話を通して見つけ出したエピソードを大事にして、大いに動きたいと思っております!

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★書会のお知らせ★

下記の書会は、下記ページでも紹介しています。

>>>https://itouunpo.com/syokai/

【名古屋】
・2024年5月19日(日曜日)

『第78回 大島屋(Pub Arco) 書会』(名古屋市西区名駅2-20-30)
第一部:13時00分~15時【満席】
第二部:16時~18時
参加費:2,500円(当日会場にてお支払いください。)
※書道道具の準備は不要です。ソフトドリンク付き。
>>>https://www.facebook.com/PubArco/posts/3352383241462632

【三重県・桑名市】
・2024年5月11日(土曜日)
『第57回 MuGicafe書会』(三重県桑名市京町42)
時間:13時30分~15時30分 
参加費:2,500円(当日会場にてお支払いください。)
※書道道具の準備は不要です。ソフトドリンク付き。

・2024年5月18日(土曜) 
『第34回 オンライン書会』(Zoom)
時間:10時~12時 ※今回も午前中です。
参加費:2,500円(ゆうちょ銀行振込、PayPay)
※筆と墨、半紙や八つ切りもしくは、紙と万年筆やペン、鉛筆など、まずはお手持ちのものでご参加ください。

・2024年6月1日(土曜)
『オンライン・五書体書会(Zoom)』
時間:10時30分~11時50分
参加費:3,000円(ゆうちょ銀行振込、PayPay)
※筆と墨、半紙など、まずはお手持ちのものでご参加ください。

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★終わりに★

先日、村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』を読み終えました。

かれこれ25年ほど前に一度読んだことのある小説でしたが、すっかり内容が抜け落ちておりました。
でもなぜか、≪すでに一回読んだからもう読まなくてもいいのでは≫とよくわからない思い込みでここまで再読せずにいました。

少し前に、会社の人と食事をしていたら、この本をとても面白い小説として紹介されたことに触発されて再読するのでした。

今回読み直してみて≪その感覚、よくわかる!≫とうなずけるような描写がたくさんありました。
おそらく、25年の年月を経て、いろんな経験をしたことで、かつては素通りした描写に、強く引き付けられるようになったのでしょう。

先日ある懇親会で、初めてお目にかかった方から「価値の再構築」という言葉を教わりました。
この『ダンス・ダンス・ダンス』への認識は、まさにこれなのではないでしょうか。

大人の学び直しという言葉がありますが、それはすなわち「価値の再構築」というもの。

子どものときに≪役に立たないことを学ばせるな!≫と大人に言ったものです。
逆に、私は、新米教師時代に、生徒に≪役に立たないことを学ばせるな!≫と言われもしました。
しかし、これは大人になってからのご褒美を味わうための下準備だったのですね。

経験や知識を最初に得たときは、それによって何に活かせるのかわからないため不安になるのですが、あとになって大きく活きてくるものなんですね。

そういえば、会社で何か困ったことが起きたときに、かつての経験が思わぬ形で活きることがありました。
若いころ「何でもやってみよう、苦労は買ってでもしろ!」と言われてきましたが、その意味が少しずつ実感を伴ってわかるようになりました。

50代に入り、今までの経験が活きてくる季節となりました。
とはいえ、新しいことに挑戦したり、吸収したりすることを怠らずに、前を向いて進んでまいりたいと思います!

なんだかまとまりのない文章になりましたが、さまざまな出会いから私の考え方が更新できることはとてもありがたいことです。

こどもの日の夜は、菖蒲湯に浸かって眠りたいと思っている伊藤雲峰でした(^^)/