《No.126》編集は、マッチングを探るお仕事

おはようございます。
立冬を過ぎたとはいえ、秋の深まりを楽しむ季節となっております。

この季節が大好きな伊藤雲峰です。

今回のテーマは、「編集は、マッチングを探るお仕事」としたいと思います。

日頃、学習教材の編集制作のお仕事をしている雲峰ですが、各種クライアント様より、いろいろなお仕事のお話をいただきます。
自分が今まで経験してきたことをもとに、対応できる仕事もあれば、経験したことのないご相談内容もあります。

経験値の高い仕事ばかりのお声がけなら苦労しないのですが、なかなかそうもいきません。

やったことがない仕事については、その教材や書籍を作るために、執筆者や知見のある人を探し出す必要があります。
この探し出す仕事は、なかなか不安で骨の折れる部分があります。
しかし、これこそが編集者の醍醐味といえます。

以前キングコングの西野亮廣さんが、「割に合わない仕事を積極的にすることが大事だ」と言われていました。

割に合うみんなが経験したことのある仕事ばかりをしていると、新しい分野に立ち向かう筋肉が養われず、
他の人と同じ土俵に立つことになり、圧倒的に不利になる。

反面、今割に合わない仕事だとしても、いずれその経験が生きてくる可能性があり、有利に働くのだ。
また、人が踏み込んでいない分野に知見があれば、他を圧倒する力になる。

……というようなことを言われていました。
この言葉は、私を大いに勇気づけましたね。

日頃私あてに話のある相談事項の大半が、具体化することがなく、
自分の行っていることに意味を見出しづらいため、自信を失うこともありました。

しかし、かような新規開拓の仕事を15年してきて、
この「割に合わないこと」がじわじわと意味のあることに、
点と点がつなぎ合っていることに、気づき始めました。

大切なのは、実現化しなかった人とのつながりをインプットして残しておき、
他方でいろんな相談をうけたときに、その人脈と新たな案件をつなげ合わせることなのだということです

加えて、例えばライターさんがご自身で得意とされている分野以外に、
本人が気づかない領域に挑戦してもらうように働きかけることも、編集者には必要なのでは、と思っています。

その人の良いところを見つけ、その良いところの幅を広げることにより、
例えば、見つけられずにいる領域の原稿を書いてもらえたりすると、私自身も大きな手ごたえをもたらされます。

雲峰の書とマッチングすることってどんなことがあるのかな、なんて考えることも増えてきました。

いま、写真家の水野圭次郎さんとの二人展を企画中です。
水野さんと私の共通点は、自分の得意分野以外の領域に興味をもっているところです。

話が少しずれてしまいましたが、それぞれの人がもつ得意分野と、
もたらせるお仕事や頼まれごととのマッチングを見出す役割を、
雲峰は楽しみながら、深めていきたいと考えているところです。

【ご案内】
●2022年伊藤雲峰カレンダー「時分」のご案内
今年のタイトルの『時分』には、≪ほどよい頃合い≫という意味があります。
48歳になる私は、もうすぐ終わってしまう貴重な40代を【時分は良し】ととらえて、前向きに進みつづけたいと考えているところです。
※詳しくは下記をご覧ください。
●Zoomを使ってオンライン書会を開催いたします。

【日程】
・11月27日(土)20時30分~22時30分
【ご用意いただくもの】
字の書けるもの
※筆と墨、半紙や八つ切りもしくは、紙と万年筆やペン、鉛筆など、まずはお手持ちのものでご参加ください。
【参加費】
各回 2,500円
※ゆうちょ銀行振込、PayPay
詳しくは… https://itouunpo.com/2021/10/online-syokai/

★終わりに★

マッチングは、化学反応に似ていますよね。
結びつくことで、それぞれの持つ力以上の効果が発揮されることがあります。
水野さんとの写真とのコラボ展もそのような力が発揮されることを目指したいと思います。

先日、水野さんのご案内で、滋賀県東近江市の永源寺町界隈に初めて出向きました。
三重県桑名市から西に車を走らせ、途中石榑峠という4キロほどあるトンネルを抜けて滋賀県に出ます
気温が、トンネルを抜けると4~5度ぐらい下がります。
そのためか、紅葉がきれいに色づいていました。

水野さんには、木地師発祥の地といわれる君ヶ畑町に連れて行っていただきました
ちかくには、惟喬親王の御陵もあり、拝ませていただきました。
(白洲正子さんの「かくれ里」という随筆にも取り上げられています。)

町を行くと、大きな銀杏の木が金色に輝いているお寺に出くわしたり、
雪が降り積もる前に猪垣を外しているのだと言うお爺さんの姿も見られ、

得も言われない貴重な光景を目にすることができました。

ちょうどその日は、午後から桑名で書会がありましたが、
午前中だけで東近江探訪を楽し(おまけにランチで岩魚の塩焼きを楽しめました!)めたので、
一日が二倍になったようなリッチな気分になりました。

早起きと朝の活動はいいですね。時間が膨らんでいくようです。

立冬を迎え、季節としては冬ではありますが、
もう少し秋の恵みを楽しみたいと思っている雲峰でした。

すてきな休日をお過ごしください。