《No.142》コツコツ繰り返すことって大事ですよね。

1月も終わろうとしておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
先週は日本列島は大寒波に覆われて、交通機関が麻痺するなど日常生活に支障をきたしていました。私の1月は仕事柄新年のご挨拶が中心となり、出張に出かけることが多くなります。
コロナ禍となってからは、1月の新年のあいさつを控えていましたが、今年から注意しながら、東奔西走しております。先日、ある塾教材の会社様の展示会に出向き、セミナーを聴講しました。
その先生が言われていたことにとても刺激を受けましたので、今回の話題にいたします。そこでは、子供の教育に関する提案が中心となる話題でした。

よく成功した人が「自由にやれ」とか「自分の好きなようにやれ」というが、『嘘つけ!』と言いたいと言われていました。

「自由を知るためにはまずは思いっきり束縛を知らねば、自由を知ることができない。」
「不自由であるほど自由を渇望する、それがエネルギーとなる。」

として、学校教育の在り方に問題提起をされていました。

現在、文部科学省が小学校や中学校でも≪探求学習≫をするように呼びかけています。
大雑把に言えば、「探求学習」とは、答えのない問題を調べたり考えたり話し合ったりして深い学びを追求することです。

教科書の内容や入試問題においても、探求学習につながる思考力・活用力を試す問題も加わりつつあります。

一方で、この先生は、小学校や中学校では、「探求学習」よりも「基礎基本の反復学習」をさせなければいけないと力説されていました。
(探求学習が生きてくるのは、高校からではないかという見立てです。)

土台となる基礎知識がないのに、どうして答えのない問題に立ち向かえるのかという疑問からです。
このことは、書の修練の考え方とよく似ていて、うなづけるものでした。書であれば、自分勝手に自由に書いていると、どこかで行き詰ります。
また、そういった表現は鑑賞者には魅力的に映りません。
「古典」と呼ばれる、書の名人が残した作品を真似ることが、まずは重要となります。
模倣には自由はありません。自分の書きたいように書くことは許されません。
臨書を繰り返しやって、自分の身体の中に古人の筆遣いをたたき込むことによって、自由な運筆を体得できます。学校の勉強についてもそうだと思います。まずは、暗記をして体の中に知識をたたき込む時期が必要です。
そこに理屈はありません。苦しくて鬱屈とした気持ちになる勉強というのは、そういうものなのかもしれません。
しかし、その不自由ではあるけれど基礎基本となることをじっくりやることでしか、学びの広がりは見込めません。

書においても、教育現場(学校・塾)においても、繰り返し学習が大切であること。
そして、教える側が教わる側と心でつながった関係であることも重要だと言われました。
教わる側にセルフエスティ―ム(自己重要感)を高められる関係こそが心でつながった関係です。

退屈になりがちな基礎基本の反復学習を継続できるように励ましたり、褒めたり、やる気にさせること。
それこそが、教える側の役割だと言われていました。
(私も書会においてはこの立場の考え方、大いに参考になります。

なんとなく自分のなかで考えていることをこうやって言葉にされたのを聴くことができて、すっきりしました!

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★「渡し舟」伊藤雲峰×林一歩 書と水墨画の二人展 のお知らせ

会期/2023年2月13日(月)~19日(日)11時~17時(最終日16時まで)
場所/ギャラリー寺町
住所/511-0074 三重県桑名市南寺町17(0594-40-7211)
墨の世界でつながり、二人で開催することになりました。
書と水墨画の融合をぜひともご覧いただければ幸いです。
★書会のお知らせ★
【三重県・桑名市】
・2023年2月11日(土曜日)
『第42回 MuGicafe書会』(三重県桑名市京町42)
時間:13時30分~15時30分 ※時間が変更しました!
参加費:2,500円(当日会場にてお支払いください。)
※書道道具の準備は不要です。ソフトドリンク付き。【名古屋】
・2023年2月26日(日曜日)※今回はイレギュラーです。
『第64回 大島屋(Pub Arco) 書会』(名古屋市西区名駅2-20-30)
第一部:13時30分~15時30分
第二部:16時~18時
参加費:2,500円(当日会場にてお支払いください。)
※書道道具の準備は不要です。ソフトドリンク付き。
>>>https://www.facebook.com/PubArco/posts/3352383241462632【オンライン】
・2023年2月25日(土)
『第22回 オンライン書会』(Zoom)
時間:20時00分~22時00分
参加費:2,500円(ゆうちょ銀行振込、PayPay)
※筆と墨、半紙や八つ切りもしくは、紙と万年筆やペン、鉛筆など、まずはお手持ちのものでご参加ください。●コロナウイルス感染予防の観点から、急遽中止になることがございます。その際は、ご理解いただきますよう、お願い申し上げます。

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★終わりに★

いま韓国語の勉強をしていて、単語の暗記を毎日しています。
書いて、発音して、聞くということを繰り返し行っています。
一人で勉強していても、つまづいてしまうのですが、個人レッスン(オンライン)で韓国人の先生に教えていただいているので、何とか続けられています。
言葉は、ある程度のところまでは有無を言わさず暗記するしかないので、
四の五の言わずに頭に叩き込むようにしています。書とは関連性のないことに一生懸命向き合っていると、不思議と書の表現にも変化の兆しが見えるので面白いところです。書の味わいは、
「自分のなかにどれだけ興味関心の内容が詰まっているのか」
「自分が今までどんなことを考えてきたのか」
に影響されるように思っています。味わいの豊かさを兼ね備えた作家になりたいと思う今日このごろです。

2月13日から、ギャラリー寺町様で、水墨画作家の林一歩氏との二人展を行います。
よろしければお越しになってください。

それでは、良い休日をお過ごしください。
伊藤雲峰でした。