《No.149》『第45回雪心会選抜書作展』のご案内

夏真っ盛りの今日この頃、いかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。
先日、日傘を購入し、出勤時やお昼休みのランチのときには、緑色の日傘をさすようになりました。
この日傘がなんとも重宝しておりまして、日差しを避けることは暑さをしのぐことになると、
この年齢になるまで体感することができなかったので、新しい体験となりました。

さて、今週の27日木曜日から行われます『第45回雪心会選抜書作展』(於:上野の森美術館)に
伊藤雲峰の作品も展示されますので、案内させていただきます。

≪脱帽して頂きを露わにして王公を前にし、雲煙のごとく紙に墨を落として揮毫する≫
という、杜甫35歳のときの『飲中八仙歌』の一節を隷書で書きました。
頭の頂を王公の前で見せるのは、無礼と言われていた時代ですが、そんなことも意に介さず、草書の名人である張旭(ちょうきょく)は、雲や靄のような優れた草書作品を書いたことを、杜甫は感動を込めて詩にしています。

張旭の、常識を忘れるほどの打ち込みように心惹かれるものがありました。
私の隷書はというと、自分で自分の書を言葉にするのはむずかしく、恥ずかしいばかりなのですが、
せっかくお暑い中、上野の森美術館まで足を運んでくださった皆様に涼しい思いをしていただけるような、伸びやかな横線を引くことを目指して、大きな作品(3尺×8尺の額作品)を作りました。
この頃、ある方から教わった『アート』への向き合い方を参考にしています。
「この表現のここを直した方がいい」という見方から、
「なぜこの作者はこの表現をしようとしたのか」を探る見方に、
変換していければと思うのです。

書も俳句も、結社というくくりがあって、自分たちが良しとする美学と異なる表現を見ると、違和感を覚えます。
その違和感を「こんなものはだめ」と否定するだけではもったいないと思うのです。
私が違和感を覚える表現のなかにも、本当は見るべきところがあるかもしれないと考えるようになりました。
その違和感のなかにある大切なことを掬い上げる視点として、
「なぜ、この作者はこんな表現をしようとしたのか?」
という想像力を働かせる問いを自分に投げかけることが大切なのでは、と思い至りました。
この「なぜ?」にはすぐ答えが出てこないほどの深みがあるのでしょうが、
その思考こそが、自分の表現の幅を広げる糧になるのではと思った次第です。

今となっては仕上げた作品は、すでに作者から切り離されたものなので、見てくださる方の自由な感想に委ねたいと思います。
よろしければ、お越しになってください。

◆第45回 雪心会選抜書作展◆

会期:2023年7月27日(木)~7月31日(月)
   10:00~17:00(31日は15:00まで)
会場:上野の森美術館(https://www.ueno-mori.org/

※雲峰は、Fクラスにて、3尺×8尺の額に合うように、
二幅の紙に杜甫の詩の一節を大書したものが展示される予定です。

※29日(土)午後、30日(日)は終日、会場におります。
詳しくは、以下のとおりまとめております。

「雪心会選抜書作展」のご案内(東京・上野)

2023年7月27日(木)~31日(月)に東京上野の「上野の森美術館」にて、雪心会選抜書作展が開催されます。雪心会の中でも、D,E,Fクラスの書家のみが出展する選りすぐりの…

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★書会のお知らせ★
書会紹介の動画、アップしています! よかったらご覧ください。
https://youtu.be/ba1HXNcjdz8

【三重県・桑名市】
・2023年8月12日(土曜日)
『第48回 MuGicafe書会』(三重県桑名市京町42)
時間:13時30分~15時30分 
参加費:2,500円(当日会場にてお支払いください。)
※書道道具の準備は不要です。ソフトドリンク付き。

【名古屋】
・2023年8月20日(日曜日)
『第70回 大島屋(Pub Arco) 書会』(名古屋市西区名駅2-20-30)
第一部:13時30分~15時30分
第二部:16時~18時
参加費:2,500円(当日会場にてお支払いください。)
※書道道具の準備は不要です。ソフトドリンク付き。
>>>https://www.facebook.com/PubArco/posts/3352383241462632

【オンライン】
・2023年8月26日(土) 
『第28回 オンライン書会』(Zoom)
時間:20時00分~22時00分
参加費:2,500円(ゆうちょ銀行振込、PayPay)
※筆と墨、半紙や八つ切りもしくは、紙と万年筆やペン、鉛筆など、まずはお手持ちのものでご参加ください。


★終わりに★
朱野帰子さんの小説『対岸の家事』を読みました。
専業主婦という生き方を貫こうとする主人公を中心に、近隣住人のパパ友やママ友とのすったもんだ、家族を取り巻くやりとり、先輩世代の方との心温まる交流などを通して、その主人公が視野を広げ、葛藤からの克服、関わる人との助け合いなどが、スリリングに展開していく面白い小説です。
ハッピーエンドな内容ではないのですが、読み終わったら、《世の中そんなに捨てたもんじゃないよな》と思わせてくれました。
この主人公が最後の方でこんなことを言います。
「料理も、掃除も、洗濯も、ご近所づきあいも、恥ずかしがらず、やったことのないことに挑戦していれば、きっと新しい自分でいられる。
世界はいくらだって広げられる。時代が移り変わってもきっと大丈夫だ。そう思えた。」
とありました。

自分の中にパワーがみなぎらない時、どうも鬱々する時には、
「はずかしがらずに、やったことのないことに挑戦する」ことを大切にしたいと思うのでした。
(苦手意識が強くてやってこなかったことにチャレンジをしてみたいと思うのでした。)
小説を読むことは、物語の力で心を動かされるので、やめられません。
夏休みは、心動かされる小説をたくさん読みたいと思います!
それでは、日曜日の夕方となってしまいましたが、すてきな休日をお過ごしください。

伊藤雲峰でした。